◇化学調味料とわたくし〜ほんだし編〜
2008-06-10


これは、私がなぜ化学調味料を嫌いになったかを書いた自分のための覚書です。最初に
『◇化学調味料とわたくし〜味の素編〜』
を読んでからお読みくださいm(_ _)m。


そのうち「化学調味料で頭が良くなる」などというのはガセネタであったということはなんとなく世の中に広まっていったが、当時一部の年寄りにはまだ信じているものも少なくなく、化学調味料を勧められ嫌だと言い、理由を聞かれて「まずいし舌がしびれて気持ちが悪くなる」というと「それは頭が悪いからだ」などと言われて傷ついたりしたこともあったのだ。

それでも当時はまだ化学調味料が、料理における旨味の補助的役割であったからよかった(少なくとも私の周囲では)。
それまでは昆布やかつお節でだしを取り、その上で調理中には「ハイミー」とか「いのいちばん」などを使用し、食卓では「味の素」などを使用するという感じだったのが、その後「ほんだし」の一般的普及で家庭でそれまでのように「ダシを取る」という行為が特別なものになってしまったのだ。
しかもそれは昔から行われてきたダシの取り方で抽出したものを、フリーズドライという新製法で粉末にしたというふれこみである(そう説明されたCMを今でも記憶している)。
その後かつおだしの濃縮液タイプだとか、さまざまな形で「ダシをとる」というわずらわしい行為からこれらの調味料は主婦(母)を解放してきたのだった。

これも母は忘れていて私が覚えているだけなので現実か夢かはわからないのだが、この「ほんだし」が我が家で常用されるようになったある日、私は母に「これと化学調味料とどう違うのか」と聞いたことがある。
このときにはすでに、化学調味料がダシ的役割をすることを知っていたのだ。これはたぶん1970年代後半のことだと思う。
この時の母の答えは、
「フリーズドライはもともとのダシが原料で、化学調味料は石油で作られている」というものだった。

それにしても、これは大変わかりづらかった。
私はこの時「ほんだしも味の素が作っているのだから、味の素が入っているのではないか」という疑問があり、自分の嫌いなものを調理時に日常的に使っているのではないかと思っての質問だったからだ。
「ほんだしは本来昔からの製法で作られたダシをフリーズドライにすることで使いやすくしたのだから、もともとはダシ汁であるから大丈夫」と私の母は言いたかったに違いないが、この時私がどう認識したのかは実は覚えていない。

今から考えると、当時私の質問に母が「化学調味料は石油で作られている」と答えたということは、「ほんだし」などのフリーズドライのだしは化学調味料ではないという認識だったように思う。
しかも、(ほんとかどうかは知らないが)「石油で作られている」という疑惑を母が知っていたということは、少なからず「化学調味料は危ない食べ物」という認識もこの頃は世間一般にあったのではないかと思う。
しかも、当時は食品添加物に対する意識もいまと比較にならないほど低かったし、表示の義務も曖昧だったのかもしれない。少なくともそこまで気にする人は少なかったのではないかと思う。

これらを聞くにつれ、反抗期に差し掛かった当時の私は「子供の頃に頭の良くなる薬だと言っていたのはなんだったんだ」と怒りを覚えたが、それを告発したところで当時大人はみんな「そんなことあったっけ」と口をそろえていたのだった(今も)。

しかし、このフリーズドライ製法から発展した「ほんだし」の類は今でも普通に家庭にある。すたれることはないだろう。
今でもそうだがダシ用の昆布や干ししいたけ、かつお節、煮干などは決して安いものではないし、料理によっていくつも使い分けなければならない上に、場合によっては一晩以上水に漬けておかなければならななどの手間もかかる。

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