2008-06-09
歯列矯正を始めて早2年3ヶ月。遅れに遅れていたインプラントの手術を先日受けた。
基はといえば、インプラントの手術を受けるための歯列矯正だったわけだが、インプラントの手術が遅れた理由としては、インプラントを入れる予定の奥の歯が予定よりも前に出てこず、最終的にインプラントを入れるのが一本になるのか二本になるのかがはっきりしなかったからだ。
私の場合、下顎左の第一小臼歯(5番)が生まれつきなく、その後第一大臼歯(6番)と第二大臼歯(7番)を虫歯のため欠損していた。左の下奥歯は、親知らずである第三大臼歯だけがぽつんと離れ小島のように存在していたのである。第三大臼歯をできるだけ前に出して、一本だけインプラントを入れる予定だったのが、歯がなかった期間があまりにも長かったため(第一大臼歯で17年ほどか?)、そこの骨がなくなってしまっているのが原因だった。
普通の人であれば、そこそこの骨の幅でカバーできたらしいのだが、私の場合人よりずっと歯の骨が細く、やわらかいらしい。歯の骨がやわらかいのは、歯列矯正では役にたった。同じ年代の人よりずっと歯の動きがよかったのである。しかし、インプラントを入れるときにはこれがネックになってしまった。
一番奥の第三大臼歯も、これ以上前に出せばいずれぬけてしまうだろうというぎりぎりまで前に出したが、結局インプラントは2本入れることになったのだ。
当初は、手術を二回に分けて、最初は一本インプラントの柱を入れると同時に骨がなくなっている部分に骨を造骨する種を仕込んで、三ヵ月後に造骨したところにもう一本の柱を入れるという手術をするという説明を受けた。しかし、造骨してももともと骨がやわらかいところに、造骨した骨がもつかどうかの強度の問題も大きく、柱の径と長さを小さなものにして手術を一度にするという選択が最終的にはとられたのだ。
いろいろ説明はされたが、結局は歯科医の決定したことに異を唱える理由もなく、とにかくさっさとこの恐ろしい手術を終わらせてくれることが、怖がりで痛がりで17年前に日本大学歯学部にて「デンタルフォビア(歯科恐怖症)」のレッテルを貼られた私にできることだったのだった。
インプラントの手術自体は1時間弱で終了したのだが、私には数時間に感じられた。その日私は風邪気味で、緊張も加わってかくしゃみが止まらず、手術中にくしゃみと鼻水がたれてきたらどうしようかという不安でいっぱいだった。
最初何度かに分けて局部に麻酔が注入され、下顎のほぼ半分の神経が麻痺したところで手術開始。手術には担当歯科医と口腔外科の医師が立ち会った。
顔に穴の開いたプラスチックの覆いをかぶせられ、数分でなんだか一番奥の歯をごりごりとけずっている様子(あとで気づいたが、これは歯をけずっていたのではなく、すでに切開されて骨がけずられていたらしい)。そのうちドリルでごりごりされて、なんだか細い棒のようなものを入れられた感覚があり、二度目は「硬いなあ」という歯科医の言葉と共に、「ちょっとがんがんするぞ」と言われてなんだかとんかちのようなものでがつんがつんと打ち込まれ、その後「ばっちし」という声と共に口に糸がはっていくのを感じて、「ああ、縫合しているのか」という安堵感があったのだった。
縫合しているとき、麻酔の境の唇の真ん中と歯茎の真ん中がつる感覚があったが、完全に縫合されてしまうとそれもなくなった。
手術中に痛みはほとんどなく、たまに顎の奥の方がじんと痛くなるような気がしたくらいだった。
その間、くしゃみは二回、鼻水をふいたのは5回ほどあったが、医師が別な作業中にそれらを行えたので大事には至らなかった。
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