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不忍池の蓮の花 |
東京上野の水月ホテル鴎外荘にて、朝目覚めて一番に温泉につかりに行く。男湯と女湯が前日とは入れ代わっており、前日は女湯が檜風呂だった。檜風呂は黒い漆がぬってあるため、東京温泉の黒い湯が同化していまいち判別しにくかったが、朝に入った風呂は大理石風呂だったので、黒い温泉の湯の色が堪能できた。洗面器はどちらも檜の重厚なものだったが、うるしがほどこしてあるためか異常に重い。
前日にリフレクソロジーの人が「このへんの人は、上野動物園のアザラシの声で目が覚める」というようなことを言っていたので、声がきけるのを楽しみにしていたのだが、残念ながら声は聞こえなかった。
チェックアウトのためロビーに行くと、ロビーは喪服を着て白い帽子をかぶった人であふれていた。どうやら、戦没者の慰霊式に出席する団体さんのようだった。朝のニュースは小泉首相の靖国参拝の話でもちきりだったので、その光景を見てこれからのんきに東京見物をするのがためらわれる。団体さんが送迎バスでひとしきりいなくなった頃、ロビーで中庭をながめながらコーヒーを飲んだ。外は小雨が降っているが、平和を実感するひととき。
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上野動物園の家畜(?) | 蓮に被われる不忍池 (下町風俗資料館前より) | |
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不忍池の亀 | 不忍池の鴨 |
ホテルを出て、上野動物園のわきの道を不忍池方面に向かって歩くことにする。めぐりんがホテルの前から出ていて乗りたかったが、歩こうという旦那の意見に従うことにする。通りからはやぎやら豚などの動物が柵ごしに見える。
不忍池の弁天堂のあたりにつくと、池は蓮の花で被われていた。 ちらほらとピンクの花が咲いていて綺麗だが、水を見るとどろどろで大量の亀が泳いでいる。弁天堂周辺には、眼鏡の碑や料理関係の碑があちこちにあるが、どれもなんとなくぱっとしない。ボート乗り場を経由して池の遊歩道を歩いていくと、鴨やゆりかもめ、サギのなどの鳥達ものんびりと休んでいる。以外と多く見られる猫達に餌をやっている夫婦がいたりして全体的にのんびりした風景だが、小屋のある場所などでは相変わらずホームレスの人たちが寝ていたりもする。売店などがあるところでは、ひとりで大声で怒り狂っている人がいたりもする。何を言っているのかわからないが、怒りの対象がどこに向けられているのかは判らない。
ぼーっとベンチで休んでいる人。夫婦で散歩をする人。ここにいる人たちは全体的に年齢が高い。鳩が異常に多いのは公園のお約束だが、アヒルがいたり猫がいたりして、ここにいる人間も動物もなんだかのんびりしている。
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