◇記憶の底にひそむ焼肉屋
2006-06-02


帯広は焼肉がうまくて安い土地だと思う。

先日、帯広では老舗といわれる「平和苑」という焼肉屋(ちょっと上等な店)に両親と妹夫婦と6名で出向き、焼肉盛り合わせだの、豚足だの、ジンギスカンだの、タン塩だの、レバ刺しだのをしこたま注文し、ビール、焼酎ボトル、日本酒をさんざん頼んで2万円ちょっとだったのにはびっくりした。
詳細を見ると、お銚子一本350円だった。

関東だと○角なみの値段か? 少なくとも牛○よりは肉はずっと上等で量も多い。

1985年当時、私たちはとても貧乏だったが、ちょっとお金が入るとみんなで焼肉を食べに行った。
当時、西一条11丁目か12丁目の裏通りに、一件の焼肉屋があった。
炭火焼の店ではなかったけれど、ここの肉は安くてうまく、20歳前後の私たちでも、気軽に食事をしてビールなども飲むことができたのだ。
有名な店ではなかったし、場所も駅前の裏通りと繁華街からもちょっと離れていたので、いつ行っても混んでいて入れないということはなかった。

関東ではあまりおいている店はみかけないが、帯広の焼肉屋ではミノの刺身がメニューにたいていある。
つけダレが店ごとに違っていて、ゴマ風味だったり、ちょっと辛いタレだったりと色々だが、そこの店のタレはゴマ風味で絶品であった。
今でもここのミノ刺しの味は忘れられない。

その店は1987年前後に閉店してしまったので、もうあの味を味わうことができないのが残念だ。

なのに、どうしても店の名前が出てこない。
数年前までは覚えていたはずで、友達との会話でも「○○苑のミノ刺しはうまかったよねー」と話していたはずなのだ。
一緒に行っていた友達と先日「あの店、なんて名前だっけ」と聞いても、その友達も忘れてしまっていて、二人で記憶の呪いがとけないままでいる。
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