◇驚異の口琴2010 サハ共和国のホムス
2010-10-29


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禺画像]11月5日四谷・絵本塾の公演告知葉書(クリックすると拡大します)

ロシア連邦サハ共和国の口琴の催しが、今年の秋も開催される。
口琴ファンにはお馴染みのスピリドン シシーギンを筆頭に、今回はアンナ サッヴィナという美しい口琴美女が来日する。
彼女は、2009年のミス口琴インターネットでグランプリを受賞した女性で、現在はモスクワの大学ででコンピュータネットワークを勉強する才媛である。

今回、11月5日の四谷の絵本塾で催されるコンサートの広報葉書の依頼を受けた。この時の注文が「アンナの細いウエストを強調したい」というものだった。
ななめ45度の角度でポーズをとっているせいもあるが、非常にウエストの細い女性で、腰を強調したいという注文もうなずける。
(どちらかというと、昔ながらの既婚のロシア女性にありがちな体型の私は、大変うらやましい限りである。2000年に来日したフェドーラと一緒に撮影した写真を見たサハ人の別な女性は、「親子なのか」と本気で言っていた。)

支給された写真は、サハの草原をバックに民族衣装で口琴を演奏する彼女の写真だったが、撮影時にうす曇だったせいか全体的に色がくすんでいたのと、彼女の顔が少し逆光気味だったので、多少コントラストを強くして彼女の色の白さと、民族衣装の白と銀が映えるように少しだけ加工した。
ふだんは、せまいスペースに説明文が山のようにあって、写真が文字に埋まってしまうようなことが多いクライアントだが、今回は説明文も必要最小限で、色やスペースを生かすデザインをすることができ、楽しい仕事だった。

これまで、日本で紹介されたサハの女性口琴演奏家というと、NHKのロシア語講座にも登場したアリビナ ジェグチャリョーヴァ(あるいは、彼女が率いるユニットの女性メンバー)。
口琴製作の名人だったセミョン ゴーゴレフの娘で、数年前に残念ながら他界した“世界口琴名人”の一人フェドーラ ゴーゴレヴァ(私のサハのмама(?))。
そして、夫婦で活動しているハトラーエフ夫妻の奥様。

最近では、『世界で一番寒い国』として、日本のテレビでも紹介される機会が増えたサハ共和国だが、それらで紹介される学校などの口琴演奏の様子を見ていると、多くが自然の音やサハの生活の様子を口琴の音や声で表現する、アリビナの演奏スタイルを継承するものが多い。
もちろん、他の演奏スタイルを練習する人がたまたま紹介されないでいるだけかもしれないのだが(アリビナの演奏スタイルは、サハの自然の様子を伝えるにはうってつけだし)。

しかし、フェドーラ ゴーゴレヴァの演奏は、サハには珍しい超絶技法を駆使しつつも、口琴の音を存分に開放して演奏する技法だった。サハの伝統的な技法に他国の技法も取り入れる柔軟さもある。2000年に来日したきり、彼女の演奏をもう聴くことができなくなったことを残念に思う。
できることなら、彼女が生前口琴を教えていたベルディゲスチャハ村小学校の生徒が、彼女の技法を継承し、またサハを代表する口琴奏者に育ってくれればいいのにと思っているのだ。

そんな中、2009年のミス口琴インターネット投票の中で、比較的フェドーラの演奏技法に近い演奏をしていたのがアンナだった。
もちろん、口琴名人と謳われたフェドーラの優しく力強い演奏とはたいぶ違うのは当たり前だが、アンナはそれを若さと美しさでカバーしている。

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[口琴]

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